ストーリー
絶海の孤島で行われたパーティ。そこには、数多くの著名人が招待された。大部分の客は、その日のうちに帰っていったが、中には島の屋敷で一夜を過ごすものもいた。
そしてその中には、ある決意を秘めた人間も混ざっていた。翌日、目を覚ますと、屋敷の主人は自身の部屋で殺害されていた。そして、死体の前に立つ怪しげな執事。ただ、彼が主人を殺害したのではなさそうだ…
「こちらは、死体のそばに置かれていた犯人からの置き手紙になります。」
と、執事はその手紙を広げ読み上げた。
~これは始まりだ。罪深き一族のものよ。必ず一族全員殺害する。~
招待された人々に動揺が走った。執事は手紙をたたみ、人々を見回し続けた。
「実は私、犯人を知っております。犯人はここにおられるお客様の中に紛れ込んでおいでです。ただ、その方がどなたかは皆さまにお教えできません。
何故なら、私がお仕えしておりましたこの屋敷の主人は、闇の組織と繋がり人の尊い命を何人も殺めて今の地位を築いた極悪人に他ありません、言わば外道でございます。
ですので、犯人のお気持ちがよくわかるのでございます。ただ、だからといって、犯人のお味方だけするのもどうかと思います。
そこで皆様、これから皆様とゲームをしたく思っております。」
執事は話を続けた。
「もし、主人を殺した「犯人」と殺害に使われた「凶器」をお客様の中で解明された方がおられたならば、夕方に告発の時間を設けますので、その際に私に告発くださいませ。
正解の場合は、ご褒美といたしまして、こちらの拳銃で、主人を殺した犯人を射殺させて頂きます。
そして、全てのお客様をクルーザーにて最寄りの港までお送りいたしましょう。」
これは、犯人を捕まえるだけの安全なゲームで、人々には被害はないということなのか?
執事は冷酷な笑みを浮かべながら話を続けた。
「ただし、もし犯人と凶器のどちらか一方でもお間違えの場合は罰としてそのお方を射殺させて頂きます。」
それは、人々の期待を裏切るものだった。
「それから、犯人の方にもお伝えしておきます。
もし一族全ての方の殺害を達成した場合は、お祝いといたしましてこちらのクルーザーにて、ご逃亡のお手伝いをさせて頂きます。その場合、残りのお客様は、この孤島に置き去りとさせて頂きます。」
こんな孤島に置き去りにされては、餓死してしまうに違いない。
「それでは、制限時間はX日の朝。制限時間を越えた場合も、全ての皆さまをこの孤島に置き去りとさせて頂きますので予めご了承をください。」
執事の拳銃の前に逆らえるものなど誰もいない。
人々の顔は恐怖に染まった。
「『殺人犯は、あなたのそばにおられます』それでは皆さま、ゲームスタートです!!」
今、一族と殺人犯との命を懸けた戦いがはじまる!